神の子に出会った
彼は歩いてどこかへ行く途中
どこに行くのかと尋ねると
彼はこう言った
ヤスガー農場に行くんだよ
そこでロックンロールバンドに加わり
自然の中でキャンプをして
魂を解放しようと思ってるのさ
「“自分は行けなかった”という喪失感が、ウッドストックに対する強烈な観点を私に与えてくれたのよ」
当時、あるインタビューでジョニ・ミッチェルが語った言葉である。
この歌を書いた彼女は、ウッドストックのステージには立っていない。
TV出演があった為、その場にも行ってはいないのだ。
では彼女は、この歌をどのようにして紡いだのだろう?
当時、このフェスに出演していたグラハム・ナッシュ(クロスビー,スティルス,ナッシュ&ヤング)と恋仲だった彼女は、彼からフェスの様子を聞きつつ、ニューヨークのホテルの部屋でフェスについて報道するテレビを見ながらこの歌を書き下ろしたのだという。
また、この歌はフェスの翌年に公開されたドキュメンタリー映画『ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間』でクロスビー,スティルス,ナッシュ&ヤングが“テーマ曲”としてカバーしシングルヒットとなった。
それは60年代最後の夏の出来事だった。
“平和と音楽の3日間”と言われたウッドストック・フェスティバル(Woodstock Music and Art Festival)は、当時のアメリカのヒッピー文化を象徴する巨大な野外コンサートとなった。
その“約束の地”には、主催者側が予想した20万人を大きく上回る50万人もの観客が全米各地から集まった。
もともとはボブ・ディランら多くのアーティストが住んでいたニューヨーク州にあるアルスター郡の“ウッドストック”というリゾート地で行われる予定だったが、直前になって住民や市当局の反対で同州サリバン郡ベセルにあるヤスガー農場に変更されたという。
8月15日(金)の午後5時7分からスタートしたリッチー・ヘブンスのステージで幕を開け、最終日とされていた17日(日)の日付を越えて18日(月)の朝方に登場したジミ・ヘンドリックスがパフォーマンスした(あの有名な!)アメリカ国歌「星条旗よ永遠なれ」を最後にステージから降りるまでの3日半に及んだ。
主な出演者は、ジョーン・バエズ、サンタナ、ジャニス・ジョプリン、ジョー・コッカー、ザ・バンド、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、グレイトフル・デッド、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル、ザ・フー、ジェファーソン・エアプレーン、クロスビー・スティルス&ナッシュといった錚々たる顔ぶれが集結した。
前例がない規模で開催されたこにフェスは、駐車場や食料等など色んなものが準備不足のままスタートした。
その結果ハイウェイは駐車車両に塞がれて数十キロに渡って渋滞し、出演者は全てヘリコプターで会場に運ばれたという。
事前に18万6000枚のチケットが売れていたものの、予想を遥かに上回る入場者をさばき切れず、最終的には会場を囲むフェンスが取り払われて、入場無料のフリーコンサートとなった。
翌年には前出のドキュメンタリー映画が世界中で上映され、ウッドストック・フェスティバルはべトナム戦争下の若者が生み出したカウンターカルチャーの集大成として永遠に記憶されることとなった。
ウッドストックに着いた頃
私たちの数は50万人にもなっていた
べトナム反戦運動、公民権運動、女性解放運動(ウーマンリヴ)、環境保護運動などが相次いで起こった激動の1960年代を体験した人々にとって“輝かしい時代の象徴”として語られてきたこの祭典だが、実際には犯罪やドラッグが場内に横行したともいわれている。
映画の中で、ラストのジミ・ヘンドリックスが出演した18日の早朝のシーンでは、大半の客が現実に戻るために会場を次々に立ち去ってゆく。
そして、残されたのは夢の残骸と虚脱感と…大量のゴミだった。
60年代後半、アメリカでは若者達がヒッピーといわれる文化(フラワームーブメント)を創造し “愛と平和”をスローガンとした。
しかし、自由を求めたその行動は、やがて大麻やLSDといった麻薬と結びつき…一般社会との隔絶を深めていく。
そして彼らは“コミューン”という場を設けて共同生活をするようになる。
しかし、そんな理想郷を求めるような生活は長くは続かず…やがて衰退していくのであった。
【ヒッピー(Hippie)】という言葉を辞書でひくと『自然への回帰を主張し,伝統・制度など既成の価値観にしばられた社会生活を否定する若者』とされている。(大辞林 第三版より)
私たちは星屑
黄金に輝く星屑
みんな一緒にあの楽園に帰るべきなのよ
まるでその後の時代の変化を見据えていたかのような冷静な目線で綴られたこの歌詞は、哀愁漂うメロディーと共に何とも言えぬ余韻を残すものとなっている。
それは、砂上の楼閣のようにもろく崩れていった“あの時代”に対する鎮魂歌にも聴こえてくる…
こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。
【歌ものがたり2022 雨ニモマケズ風ニモマケズ】
8月6日(土)東京(調布市)柴崎RATHOLE
8月7日(日)埼玉・新所沢LAD COMPANY
8月19日(金)徳島 阿波踊り&ミュージック Cafe&Bar コティ
8月20日(土)徳島Music Bar Ricky
8月21日(日)倉敷 下津井スタイラス
8月22日(月)兵庫(伊丹) BAR BOILER ROOM
8月26日(金)東広島(西条)HOTEL VAN CORNELL屋上
8月27日(土)福岡(警固)呑処 岡ひろ
8月28日(日)大牟田 陽炎
9月3日(土)田川Diamond Moon
9月4日(日)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
9月10日(土)米子MUSIC PUB海あに
9月17日(土)京都LIVE&SALON夜想
9月25日(日)久留米 八百屋カフェ農と音1号店
10月7日(金)兵庫(伊丹)HEAVEN`S KITCHEN伊丹昆陽店
10月8日(土)広島・呉Albatross
10月9日(日)岡山LIVE Cafe ペペの家
10月10日(月・祝)岡山Desperado(Bar side)
10月14日(金)唐津の海賊
10月15日(土)小倉Bar Disa
10月21日(金)八戸Bar FLAT
10月22日(土)能代ハックルベリー
10月23日(日)秋田カウンターアクション
10月29日(土)横浜Bar Brixton Market
10月30日(日)静岡・三島 ぐらBar’s
11月3日(木・祝)群馬・前橋 呑竜横丁
11月22日(火)札幌SALINAS
11月23日(水)恵庭Mojo Hand
12月2日(金)大阪 大きな輪
12日3日(土)和歌山OLD TIME
12月4日(日)広島Jammin’ bar
12月10日(土)福岡NIKAI
12月11日(日)北九州・黒崎 居酒屋 中村屋
↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
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【THE HUNDREDS 佐々木モトアキ×NOBUYAN’ Special Acoustic Live Tour 2022 “Only 2Men-6Days”】
9月18日(日)大阪 新世界ヤンチャーズ
9月19日(月・祝)名古屋 ROLLING MAN
9月22日(木)福岡 Bar KINGBEE
9月23日(金・祝)福岡 Bar KINGBEE
10月1日(土)新潟 Live Bar Mush
10月2日(日)仙台 Cafe de Lucille
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【佐々木モトアキ×Keith “唄うたいと雷神” Autumn/Winter 2022 Japan Tour】
11月10日(木)大分・日田Chewing Gum
11月11日(金)佐賀 雷神
11月12日(土)福岡・雑餉隈ZASSHO JAM
11月13日(日)熊本・八代7th chord
11月19日(土)札幌Log
11月20日(日)釧路 ガソリンアレイ
11月26日(土)高円寺MOONSTOMP
12月17日(土)埼玉・所沢MOJO
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佐々木モトアキの楽曲「You」のミュージックビデオです♪
映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。
佐々木モトアキ
執筆、動画編集、音楽・食・商品・街(地域)に関わるPRなどなど…様々なお仕事承ります。
例えば執筆・編集のお仕事として、、、
「ロック」「ジャズ」「ブルース」「R&B」「シャンソン」「カントリーミュージック」「フォークソング」「歌謡曲」「日本の古い歌」など、ほぼオールジャンルのページ企画・特集に対応いたします。
ライブイベントの紹介・宣伝文や、アーティストの紹介文なども対応できます。
音楽以外のライティングとして、WEBページの作成・リニューアル、各種パンフレット作成に伴う「店舗のご紹介」「メニューご紹介」「企業・会社のご紹介」「商品のご紹介」などなど様々なPRに関わるお仕事も承ります。
音楽、人、食、商品、街(地域)…私たちが関わるものすべてには“ものがたり”があります。
あらゆるものに存在する、ルーツや“人の想い”を伝えながら「誰が読んでもわかりすい読み物」をお作りいたします︎
お気軽にご依頼のご相談・ご連絡ください♪
sasa@barubora.jp
090-2669-2666
【佐々木モトアキ プロフィール】
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12648985123.html
【TAP the POP佐々木モトアキ執筆記事】
http://www.tapthepop.net/author/sasaki
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