ジョニ・ミッチェル、リンダ・ロンシュタット、カーリー・サイモン、キャロル・キング、エミルー・ハリス、ボニー・レイット、オリビア・ニュートンジョン、ホイットニー・ヒューストンなどなど。
彼女たちは皆、1970年代のミュージックシーンにおいてその才能を開花させた女性アーティストである。
──それは1970年8月の出来事だった。
ニューヨークの五番街を1万人の女権運動家たちが「ブラジャーを捨てよ!」と書いたプラカードを持ってデモ行進し、『プレイボーイ』誌の編集長(ヒュー・ヘフナー)が「彼女たちは我々の天敵だ…」と嘆いたという。
それはまさに“ウイメンズリブ”の誕生の瞬間だった。
70年代に入って目立つようになってきたその運動は、センセーショナルな騒がれ方とは裏腹に、実は雇用と教育の平等を求める地道な運動でもあった。
ローンというシステムの恩恵のもと50年代まで豊かな中流家庭を営んできた家庭は、60年代に入るとインフレの影響で夫の収入だけでは生活が維持できなくなるようになる。
当時のアメリカは、ヴェトナム戦争の出費、官僚機関の膨張、巨大企業による市場支配、石油価格の上昇などが複雑に絡まりあっていて、簡単にインフレがおさまるような状況ではなかった。
そんな中、多くの人々がいったん手に入れた便利な生活を手放すことはできなかった…。
それまで家庭の中にいた主婦たちは、たとえ低賃金でも仕事を求め社会に進出するようになったという。
一方では黒人の失業率の増加の原因ともなったが、ともあれ1974年のデータによると既婚女性の4割が仕事についていたという。
ところが、家庭でも職場でも“男性中心の価値観”はいっこうに変わらなかった。
ウイメンズリブの目的は、その価値観の修正運動だったのだ。
それらの“意識の変化”は前出の女性アーティストたちの作品にも反映された。
カーリー・サイモンは「幸福のノクターン」で、結婚すると妻を鳥カゴに閉じ込めたがる男の心理をからかった。
ジョニ・ミッチェルは「私の王様」で、わがままにふるまう夫を描いた後、実生活では離婚をして自由奔放に恋愛を楽しんだ。
ジョニがこれまで浮き名を流した相手は、レナード・コーエン、ジャクソン・ブラウン、デヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュ、ジェイムズ・テイラー、ジャコ・パストリアス…と数知れず。
リンダ・ロンシュタットもまたJ.D.サウザーをはじめ、カリフォルニア州知事や映画監督のジョージ・ルーカス、そしてミック・ジャガーとも浮き名を流し、当時こんな発言をして世間を驚かせた。
「車や洋服を買いかえるのに、男もそうじゃないって言える?」
素顔のリンダは、養子を二人も迎えて子育てを経験するなど“恋多き女”とは程遠い家庭的な一面も持っていたとう。
リンダは当時のウイメンズリブやフェミニズム運動を支持したが、女性が“女性らしさ”を失いつつあったことに不快感を持っていたという。
「女性運動家が男みたいな態度をとりはじめたわ!」
<引用元・参考文献『世界のポピュラー音楽史』山室紘一(ヤマハミュージックメディア)>
<引用元・参考文献『新版ロックスーパースターの軌跡』北中正和(音楽出版社)>
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