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Channel: 佐々木 モトアキ – TAP the POP
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イメージの詩〜吉田拓郎の運命を切り拓いた一曲

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これこそはと信じれるものが
この世にあるだろうか
信じるものがあったとしても
信じないそぶり


吉田拓郎は、鹿児島出身の広島育ちである。
彼は高校時代からバンド活動を始め、1968年に広島フォーク村を結成して本格的に音楽キャリアをスタートさせる。
当時、大学4年生だった彼は河合楽器からの就職内定を受けながらも、音楽の道で食べてゆく夢を捨てきれずにいたという。
1970年になって、フォーク村の仲間たちとオムニバスアルバム『古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう』を自主制作し、注目を集めるようになる。
そして同年の6月1日、彼は23歳にしてこの「イメージの詩」と「マークII」をカップリングしたシングルでエレックレコードからデビューを果たす。
この歌は、若き日の拓郎がボブ・ディランの「Desolation Row(廃墟の街)」にインスパイアされて作ったという。
吉田拓郎と広島フォーク村は、この一曲によって世に知られるようになったと言っても過言ではない。
拓郎にとっては、まさに運命を切り拓いた一曲なのだ。


60年代後半から70年代と言えば…燻りつづける学園紛争の熱と共に、若者たちの間ではベトナム反戦、安保反対の嵐が吹き荒れていた時代。
そんな時代を背景に、若者たちが“フォークの神様”と崇めたのが岡林信康だった。
当時、“反体制の英雄”として祭り上げられた岡林を、新聞は芸能欄ではなく社会面で取り上げていたという。
岡林を中心とする関西フォーク勢は、演歌や歌謡曲にはない思想性に付加価値を持つようになる。
こうして一気に隆盛していったフォークミュージック界における“次の英雄”として登場したのが吉田拓郎だった。
若くして時代の寵児になった彼だったが…デビュー直後は“下積み生活”も経験したという。
拓郎自らレコードの梱包作業を行い、トラックに積み込んでレコード店を回り、ステレオなどの新商品の全国キャンペーンに帯同して店頭で歌うこともあった。
ある時はミカン箱の上で歌い、ある時は子供審査員に審査され、またある時はNHKのオーディションに落とされるなどなど…新人アーティスト吉田拓郎は、それでも腐らずにこの歌を届けて回ったという。
エレックレコードの専務兼プロデューサーだった浅野勇は「イメージの詩」を初めて耳にしたときの気持ちを鮮明に憶えていた。

「この男に賭けてみよう!ひょっとしたら大変な男になるかもしれない!少なくとも一年や二年賭けてみる価値のある男だろう!この歌で彼をデビューさせるための結論を出すのに時間はかかりませんでした。」

古い船には新しい水夫が
乗り込んで行くだろう
古い船をいま 動かせるのは
古い水夫じゃないだろう


この歌のオリジナルバージョンは42番まであるという。
レコーディングされ、一般的に知られているのはいわゆる“ダイジェスト版”なのだ。
拓郎はこの長い歌を唄い上げる際(時に応じて)歌詞を付け加えるという。
それにどんな意味があるのか?どんな想いをもってのことなのか?
ディランがそうであるように、当時の拓郎もまた多くを語ることはなかった。
この歌が誕生して約50年の時が流れた。
昭和から平成へ、そして平成から令和へ。
変わりゆくもの、変わらないもの…そして我々が忘れてはいけないものを、吉田拓郎という詩人が教えてくれる。


<引用元・参考文献『フォーク名曲事典300曲』/富澤一誠(ヤマハミュージックメディア)>




こちらのコラムの「書き手」である佐々木モトアキの音楽活動情報です♪
宜しくお願い致します。






【佐々木モトアキ独り唄いTOUR“歌ものがたり2021”秋冬】


9月11日(土)金沢JealousGuy
9月12日(日)富山(高岡)GOOD FELLOWS
9月17日(金)北海道(恵庭)Mojo Hand
9月18日(土)北海道(札幌)SALINAS
9月19日(日)北海道(苫小牧)M’s Garden
9月22日(水)北海道(札幌)LOG  
10月3日(日)新潟Live Bar Mush
10月8日(金)東広島pasta amare
10月9日(土)山口(下関)T-Gumbo
10月10日(日)福岡(雑餉隈)@-yaya GARAGE
10月16日(土)茨城(古河)Live studio音出事
10月23日(土)吉祥寺Rock Joint GB
10月30日(土)福岡Public Bar Bassic.
10月31日(日)熊本(八代)bar 7th chord
11月3日(水・祝)行橋Rock ‘n Roll Bar Memphis
11月7日(日)徳島 デラシネ
11月12日(金)小倉Bar Disa
11月13日(土)広島OK鉄板
11月14日(日)大分(宇佐)音小屋REBOOT
11月19日(金)仙台 ホームラン酒場
11月20日(土)二戸FREED
11月21日(日)八戸FLAT 
11月22日(月)青森 Be on space222トラスト
11月23日(火・祝)秋田カウンターアクション
11月27日(土)下北沢ニュー風知空知
12月3日(金)名古屋ローリングマン
12月4日(土)岡山Desperado
12月5日(日)大阪 大きな輪
12月11日(土)福岡NIKAI 
12月12日(日)大牟田 陽炎
12月18日(土)所沢 MOJO


↓チケットご予約&公演詳細・共演者情報はこちら
https://ameblo.jp/sasakimotoaki/entry-12692844619.html




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映像編集、ポートレート(写真)撮影共に、佐々木モトアキ本人が手掛けております。
とてもシンプルな技法ですが、何よりも登場する皆さんの表情が素敵です✨
人が“目を閉じている”表情。
その“瞼(まぶた)に浮かんでいる”誰かの顔。
繋がってゆく“一人ひとりの想い”が、100通りの、いや1000通りのドラマを描いてくれています。





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【佐々木モトアキ プロフィール】
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