音故知新①〜カントリーミュージックが生まれた場所
このシリーズコラム・音故知新は、TAP the POPに登場するアーティストや楽曲にまつわる“物語”や“繋がり”を、より深く読んでいただくためのちょっとした基礎ガイドのようなものです。 音楽ジャンルの発祥にまつわる話は、調べれば調べるほど様々な説が複雑に入り組んでいます。 ここでは、その代表的なジャンルのルーツをなるべくサクっと読めるようにシンプルにまとめております。...
View Article音故知新②〜ブルースってどんな音楽?
ブルースのルーツをさかのぼると、古くは西アフリカ、そして17世紀から19世紀の間にアメリカ大陸に連行された黒人奴隷の歴史に辿り着く。 現在、我々が耳にしているほとんどのロック系サウンドには「ブルースの血が流れている」と言っても過言ではないだろう。 では、そのブルースとは一体どんな音楽なのだろう?...
View Article音故知新③〜こうしてR&Bが誕生した
今回の音故知新は、R&B(リズム・アンド・ブルース)のルーツに迫ります。 このジャンルは時代と共に洗練され、進化も著しく、その特徴を一言で言い表すのは難しい。 R&Bといえば、後に発展するロックンロールなどにも多大な影響を与え、現代でも様々なアーティスト達が“表現(パフォーマンス)の基礎”としている音楽ジャンルである。...
View Article若者達に捧げられた歌〜すべて時代のせいにして
♪「すべて時代のせいにして」/泉谷しげるwith 藤沼伸一(TV番組スタジオLIVE) 若いときはすべてが他人(ひと)のせい こうなってしまったのも親のせい ひきこもるのも社会のせい 誰を憎んで何を消し去る 泉谷しげると云えば、1970年代に沸き起こった日本のフォークブームの中で小室等、井上陽水、吉田拓郎等と肩を並べる存在だった。...
View Article音故知新④〜“ロックンロール”と“ロック”の分岐点
そもそも「ロック」という言葉が「ロックンロール」と区別されて使われるようになったのはいつからだろうか? 諸説ある中で、アメリカでは“1965年7月25日にロックが誕生した”と言われている。 一体この日になにがあったというのだろう?...
View Article音故知新⑤〜ジャズの源流を辿る旅
ジャズの起源・発祥については諸説あり、現在でもはっきりとは断定されていない。 一般的に多くの文献では19世紀末から20世紀初頭が起源とされており、アメリカ・ルイジアナ州のニューオーリンズを発祥地として南部の都市を中心に発展した音楽形式と記されている。...
View Article音故知新⑥〜そしてパンクロックが生まれた
「PUNK IS ATTITUDE!NOT STYLE!」 これはイギリスを代表するパンクバンド、ザ・クラッシュのジョー・ストラマーが常々口にしていた言葉だ。 パンク(Punk)とは一体何なのだろうか? 一般的には“音楽ジャンルの一つ”または“反体制的・左翼的なサブカルチャー”として認識されているこのパンクという言葉。 本来は“青二才”“チンピラ”“不健康”などを意味する俗語だという。...
View Articleジェフ・ベック少年時代〜ジーン・ヴィンセントの「Be Bop A Lula」から受けたロックンロールの洗礼
1944年6月24日、彼はイングランド中西部の都市ウォリントンで産声をあげる。 いわゆる中流家庭に生まれた彼だったが、当時はまだイギリスも戦時中だったため、彼は食べ物など配給制度の下で幼少期を過ごしたという。...
View Articleマヘリア・ジャクソンを偲んで〜浅川マキも心酔したゴスペルの女王
まず…浅川マキが著書に残した言葉をご紹介します。 この体験をした当時、彼女はまだ29歳だったという。 1971年4月、60歳を迎えたゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンが日本(渋谷公会堂)にやって来た。 記者や評論家の質問に対して彼女はこう言った。 「どうか、難しいことは聞かないでください。ただ私の歌を聴いて下さい。」 そしてこう付け加えて笑ったという。...
View Articleライトニン・ホプキンスを偲んで〜稲妻と呼ばれた伝説のブルースマンの足跡と功績
Mojoを手に入れるためにルイジアナに行こう 昨日は冷たい地面を寝床に岩を枕にして眠った そして寝転がって考えた いったいどうしたものだろう? そうだ!Mojo handを手に入れるんだ! そうすりゃあの娘も俺にぞっこんになって 他に男を作らねぇだろう! ライトニン・ホプキンス。 長いブルース史において、最も多くのレコード作品を残した一人として知られている伝説のブルースマンだ。...
View Articleシド・ヴィシャスの死〜革ジャンのポケットから発見された直筆の遺書
パンクのアイコン的存在として現代の若者やカルチャーにも影響を与え続けているシド・ヴィシャス。 1979年2月2日、彼は麻薬の過剰摂取によってこの世を去った。享年21。 彼のデビューパフォーマンスとなったセックスピストルズのギグを撮影していたことでも知られる映画監督ドン・レッツは、彼のことをこう回想している。 「シドはいつもトラブルに巻き込まれてた。マヌケだったからな。愛されるバカだったよ…。」...
View Articleカレン・カーペンターを偲んで〜輝かしい活躍の舞台裏で彼女が抱えつづけた“心の闇”とは!?
1983年2月4日、カレン・カーペンターは32歳でこの世を去った。 死因は摂食障害がもたらした心不全だった。 カーペンターズといえば、彼らが活躍した1970年代当時、ホワイトハウスやディズニーランドでの演奏を許された唯一のミュージシャンだった。 ビートルズのポール・マッカートニーは、彼女の歌声とカーペンターズの音楽についてこう賛美している。...
View Article沢田研二の名曲「我が窮状」〜稀代のスーパースターの反骨精神、歌に込めた切なる願いとは?
麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが 忌まわしい時代に 遡るのは 賢明じゃない 英霊の涙に変えて 授かった宝だ この窮状 救うために 声なき声よ集え 我が窮状 守りきれたら 残す未来輝くよ 【窮状(きゅうじょう)】という言葉を辞書でひいてみる。 「困っている状態」「大変苦しい立場にいるようす」「痛々しい状態」などと書いてある。...
View Articleジム・モリソンのFirst Step〜人生初のステージはシールドを抜いたギターの“当て振り演奏”だった!?
ロックの歴史において“孤高の詩人”として多くのアーティストに影響を与え続けてきたジム・モリソン。 彼はどんなきっかけで詩を書き始め、バンドを始めることとなったのか? 彼の“First Step(はじめの一歩)”とも言える時代のエピソードをご紹介します。...
View ArticleMy Funny Valentine〜聖バレンタインデーに聴く珠玉のスタンダードとビリー・ジョエルの名曲
2月14日はSt. Valentine’s dayです♪ 今日はバレンタインデーにちなんで「My Funny Valentine」をご紹介します。 我が国では“チョコレートの日”のような定例行事になっていますが…もともと聖バレンタインデーと云えば、キリスト教の聖職者の死を悼む宗教的行事だったことをお忘れなく。 由来や起源については【日本チョコレート・ココア協会】のページをご覧下さい。 ■St....
View Articleセロニアス・モンクを偲んで〜モダンジャズ界を駆け抜けた“謎の男”の足跡
作家の村上春樹は著書『ポートレイト・イン・ジャズ』(新潮文庫)の中で、セロニアス・モンクについてこんな風に綴っている。 彼の音楽はたとえて言うならば、どこかから予告もなく現れて、なにかものすごいものをテーブルの上にひょいと置いて、そのまま何も言わずに消えてしまう“謎の男”みたいだった。モンクを主体的に体験することは、ひとつのミステリーを受け入れることだった。...
View ArticleMr.ボー・ジャングルス〜サミー・デイヴィスJr.が実在した伝説のタップダンサーの姿を重ねながら歌った名曲
歌、ダンス、モノマネ、巧みなトーク、そしてトランペット、ドラム、ビブラフォンの演奏、映画やテレビでの演技など、様々な“芸”を極め「Mr.エンターテインメント」と称されたサミー・デイヴィスJr.。 1990年5月16日、彼は喉頭癌を患い64歳でこの世を去った。 そんな彼が40代からこの世を去るまでの約20年間、ステージで大切に歌った“一曲”がある。 その曲の名は『Mr.ボー・ジャングルス』。...
View Articleジミヘンがナポレオンジャケット(軍服)を身にまとうようになった理由
1960年代…ビートルズ、ストーンズを始め、英国のロックミュージシャンたちの多くが身に纏っていたミリタリーファッション。 例えばビートルズが『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のアルバムジャケットで着ていたあの衣装。 そしてアメリカからイギリスの渡ってブレイクしたジミ・ヘンドリックスが着ていたあの上着。...
View Articleマイケル・ジャクソンがグラミー賞8部門を独占した歴史的な一日
それは1984年2月28日の出来事だった。 全米の音楽業界団体National Academy of Recording Arts & Sciencesが毎年開催する一大イベントGrammy Awards(第26回グラミー賞)において、マイケル・ジャクソンが8部門受賞という記録を打ち立てたのだ。 最優秀レコード 最優秀アルバム 最優秀男性ポップ歌手 最優秀男性ロック歌手...
View Article川の流れのように〜美空ひばりが生涯最後に“想い”を込めた名曲にまつわる運命的なドラマ
1989年1月8日、元号が「昭和」から「平成」へ移り変わったその日、美空ひばりは一篇の短歌を詠んだ。 「平成の我 新海に流れつき 命の歌よ 穏やかに…」 そのわずか3日後(1月11日)に、「川の流れのように」はシングルカットされた。...
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