洗練された楽曲が生まれた時代、シンガーソングライターたちが台頭した70年代
ジェイムズ・テイラー、エルトン・ジョン、キャロル・キング、ギルバート・オサリバン、ビリー・ジョエル、ジョン・デンバー…そしてブルース・スプリングスティーン。 彼らは皆、1970年代のミュージックシーンにおいてその才能を開花させた“シンガーソングライター”である。 1970年代…それはミュージシャンとリスナーの年齢の幅がどんどん広がりつつあった時代。...
View Articleパーシー・スレッジを偲んで〜希代の名曲「男が女を愛する時」の誕生秘話
ビートルズが初来日し、武道館で行われた歴史的なコンサートに日本中の若者達が熱狂した1966年。 そのコンサートよりも数ヶ月前に、海の向こうのアメリカやカナダの音楽ファンを夢中にさせた名曲があった。 今日はアメリカの黒人歌手パーシー・スレッジ(享年74)の大ヒット曲「When a Man Loves a Woman(男が女を愛する時)」の誕生秘話をご紹介します。 「When a Man Loves...
View Articleロッド・スチュワート27歳〜True Blueに込めた自信と自嘲
1972年、ロッド・スチュワートはフェイセズに加入して3年目を迎えた。 1月10日生まれのロッドは、年明け早々に27歳になった。 当時、フェイセズは2ndアルバム『Long Player』のセールスを着実に上昇させながらアメリカツアーを終え、イギリスに戻ってきたばかりだった。 その頃のフェイセズの人気といえば、アメリカの2万席あるスタジアム公演が、ほんの数日間で売り切れるほどの人気だった。...
View Article酒と泪と男と女〜“孤高の音楽家”河島英五という生き方
昭和を代表するこの名曲「酒と泪と男と女」は、1975年にリリースされた河島英五とホモ・サピエンスのデビューアルバム『人類』に収録されたのが初出。 作詞作曲は河島英五。 翌1976年には河島英五のソロ名義でシングルリリースされ、オリコン週間ランキング9位のヒットを記録した。 ──1952年、大阪府東大阪市で生まれた河島英五。 1969年、17歳の頃からフォークソングを歌い始める。...
View Articleガーランド・ジェフリーズの名盤〜ニューヨークで生まれた混血アーティストによる“80’sストリートロック”の金字塔
ニューヨークのブルックリンが生んだシンガーソングライター、ガーランド・ジェフリーズをご存知だろうか? 1943年、黒人と白人のハーフの父親とプエルトリカンの母親との間に誕生した彼。 ブルース、ロック、ソウル、フォーク、ジャズ、レゲエなどなど…血も生まれ育った環境も含め、彼の音楽はまさに“人種の坩堝(るつぼ)”を体現しているかのようである。...
View ArticleI’ve Got Life!私は生きている!〜伝説の歌手ニーナ・シモンのドキュメンタリー映画&トリビュートアルバムの誕生秘話
「Ain’t Got No…I’ve Got Life」/ニーナ・シモン 私には家がない 靴もない 金もなければ 品もない 土地もなければ 信じるものもない 頼る教会もないし 祈る神もいない じゃあ、私には何があるの? 私には何があるのか教えて 私はなんで生きてるの? 時代を越えて、人々を惹きつけて止まないニーナ・シモン。...
View Articleベイ・シティ・ローラーズの大ヒット曲「Saturday Night」
ロックンロールで踊り続けるんだ 土曜の夜に そう土曜の夜はね 体の奥から湧き上がるリズムに合わせて踊るのさ 土曜の夜に 土曜の夜にさ 僕はもう待ちきれないよ! 僕はデートの約束したのさ! クイーン、カーペンターズ、ビリー・ジョエル、KISS、ABBAなどなど…1970年代と言えば、魅力的で個性的なスタイルのグループやアーティストが次々と登場した時代だった。...
View Articleエディット・ピアフ27歳〜ユダヤ人作曲家との戦火の恋、運命のメロディーPadam Padam
稀代のシャンソン歌手、エディット・ピアフ。 本名はエディット・ジョヴァンナ・ガシオン。 1915年12月19日、彼女はパリ20区の貧しい地区ベルヴィル街で生まれた。 父親は大道芸人で、母親はカフェや酒場などで歌う歌手だった。 幼少期は孤独で、親戚から親戚へと転々とし、祖母の経営する売春宿で育てられた時期もあったという。...
View Article仰げば尊し〜昭和世代の“大定番”卒業ソングのルーツを辿る
今では世代によって卒業ソングも様々でしょうが…40代以上の人達に「卒業式に唄った曲は?」と問えば、大多数がこの「仰げば尊し」をあげるのではないだろうか? 今日はこの(明治〜昭和世代の)卒業ソングとして大定番として知られる「仰げば尊し」の誕生エピソードをご紹介します。 まず、日本においてこの歌が初めて唄われたのは、今から130年以上も前にさかのぼる1884年(明治17年)。...
View Article二人の友情〜ジョン・レノンの名盤『Rock ’n’Roll』の選曲にミック・ジャガーも関わっていた!?
1960年代、イギリスで誕生したビートルズとローリングストーングは人気を二分しながらもよきライバル関係でもあった。 ミック・ジャガーはジョン・レノンと初めて会った時に、とても謙虚さを感じたことを憶えているという。...
View Articleマディ・ウォーターズを偲んで〜伝説のブルースマンと呼ばれた男の偉大な功績と足跡
ロックンロールの創始者と言われたあのチャック・ベリーは、生前にこんな貴重なエピソードを語っている。 それはまだ彼が世に出る前(デビュー前)の出来事だったという。...
View Article5月の別れ〜陽水の唄に耳を傾けながら“詩の起源”を辿る
風の言葉に諭されながら 別れゆくふたりが 5月を歩く 木々の若葉は強がりだから 風の行く流れに 逆らうばかり 井上陽水(当時44歳)が1993年(平成5年)の3月に発表した楽曲である。 その年の春〜夏にお茶の間で流れていたキリンラガービールのCMソングとして憶えている人もいるだろう。 誰もが心躍らす5月という鮮やかな季節に“別れ”を歌う。 青空であるがゆえに、逆に悲しさが増幅される。...
View Articleコーヒーの歌〜清志郎とチャボ、珈琲色の思い出
♪『Cigarettes and Coffee(煙草とコーヒー)』/オーティス・レディング 1970年代の終わり頃、忌野清志郎率いるRCサクセションは「フォークグループ」から「ロックバンド」へと変貌を遂げようとしていた。その頃、古井戸を解散させたばかりの仲井戸“CHABO”麗市がギタリストとしてRCに参加する。...
View Articleマレーネ・ディートリッヒを偲んで〜ナチスを嫌い、平和を願い、祖国を想い続けた大女優の歌声
1992年5月6日、マレーネ・ディートリヒ(享年90)はパリ8区にある自宅のベッドで静かに息を引き取った。 死因は肝臓と腎臓障害であったとされる。 亡くなる前の12年間はほぼ寝たきりだったという。 葬儀はフランス・パリのマドレーヌ寺院とドイツ・ベルリンの二カ所で行われ、彼女の亡骸は同年(本人の望み通り)故郷シェーネベルクで眠る母の墓の横に埋葬された。 その墓碑にはこんな言葉が刻まれている。...
View ArticleHARRY(ザ・ストリート・スライダース)27歳〜その音楽ルーツ、作曲スタイル、日本語で歌うことへのこだわり
HARRYこと村越弘明は、1980年代〜90年代の日本のロックシーンにおいて大きな足跡を残した伝説の4人組THE STREET SLIDERS(ザ・ストリート・スライダーズ)のヴォーカル&ギターであり、バンドにおいて大半の楽曲を作詞作曲した男だ。 彼は27歳の時に、ある意味バンドの黄金期とも言えるブレイクポイントを迎え、初の武道館公演“天国と地獄”を目前にしていた。 12inchシングル「Back...
View Articleシド・ヴィシャスの死〜革ジャンのポケットから発見された直筆の遺書
パンクのアイコン的存在として現代の若者やカルチャーにも影響を与え続けているシド・ヴィシャス。 1979年2月2日、彼は麻薬の過剰摂取によってこの世を去った。享年21。 彼のデビューパフォーマンスとなったセックスピストルズのギグを撮影していたことでも知られる映画監督ドン・レッツは、彼のことをこう回想している。 「シドはいつもトラブルに巻き込まれてた。マヌケだったからな。愛されるバカだったよ…。」...
View Articleプロコル・ハルムの名曲「青い影」にまつわるいくつかの逸話
ビートルズが伝説の名盤『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』を発表した1967年、同じイギリスで一曲の名曲が誕生した。 ゆったりとしたスケールの大きなメロディーと、印象的なオルガンのフレーズは、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないだろうか? 日本では一般的に「青い影」のタイトルで知られているこの「A Whiter Shade of...
View Article雨の歌〜雨あがりの夜空に
梅雨です。 紫陽花が綺麗な季節です。 自然界、農作物にとっては恵みの雨ですね。 このジメジメをブッ飛ばす“スカっとする歌”でも聴きたいものです♪ ♪「雨あがりの夜空に」/RCサクセション 1970年代の終わり。 RCサクセションは、フォークグループからロックバンドへと変貌を遂げようとしていた。...
View Articleコールマン・ホーキンスを偲んで〜失敗を怖れずに果敢に腕を磨き続けたジャズメンの偉大な功績と足跡
1969年5月19日、“ジャズ・サックスの父”と呼ばれた男コールマン・ホーキンスが肺炎を悪化させこの世を去った。享年64。 スウィングジャズ世代のミュージシャンとしては珍しく、第二次世界大戦後はビ・バップの分野で活躍し、サックス奏者に限らず多くの後進ミュージシャンに影響を与えた。 “Hawk”や“Bean”という愛称で親しまれた彼は、どんな音楽人生を歩んだのだろう?...
View Article雨の歌〜Have You Ever Seen the Rain(雨を見たかい)
♪「Have You Ever Seen the Rain(雨を見たかい)」/クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル 晴れているのに雨が降るんだ 雨のように光って落ちてくるんだ ねえ、知りたいんだよ 君はその雨を見たことがあるの? ねえ、知りたいんだよ 君はその雨を見たことがあるの? この「Have You Ever Seen the...
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