パブロックの雄が放った珠玉のメッセージソング〜平和、愛、そして理解しあう事のどこがおかしいんだい?
「(What’s So Funny ‘Bout) Peace, Love, and Understanding」/ニック・ロウ 僕はこの荒れはてた世界を歩き続けながら 狂気の沙汰の中でも希望の光を探している すべての希望は枯れてしまったのか?と自問しながら この世界には苦痛と憎悪、そして貧困しか残っていないのかと…...
View ArticleCigarettes and Coffee〜黒人歌手オーティス・レディングが歌ったラブソングの背景にある“自由に対する至上の喜び”とは!?
今日は煙草の歴史と煙草の歌をご紹介します。 煙草のルーツに関して多くの文献に綴られているのが、メキシコのチアパス州にあるパレンケ遺跡のレリーフ(浮き彫り)だ。 この遺跡はマヤ文明が遺したもので、“十字架の神殿”と呼ばれる神殿内の石柱に煙草の起源が彫られているという。 チューブ状のものを口にくわえ、先端から煙を吹かす人の姿は、擬人化された神が煙草をくゆらせる姿を表現しているといわれいる。...
View Articleロックギターの“改革者”ジェフ・ベック〜ストーンズからの誘い、そしてビートルズのプロデューサーを迎えて作った名盤
ジェフはとても変わった男だった。 彼の最大の趣味は車で、特にホットロッドカーに興味があり、車の下に潜り込んでオイルを交換し、体中油だらけになることが最も楽しんでいる時間なんだ。 彼は機械をいじって遊ぶのが大好きで、自分のギターも“古い鉄のかたまり”のように見なしているようだったよ。 ボロボロになった古いフェンダーを持ってきて「このギターは良くないな…」とか言う。...
View Article若者達に捧げられた歌〜すべて時代のせいにして
♪「すべて時代のせいにして」/泉谷しげるwith 藤沼伸一(TV番組スタジオLIVE) 若いときはすべてが他人(ひと)のせい こうなってしまったのも親のせい ひきこもるのも社会のせい 誰を憎んで何を消し去る 泉谷しげると云えば、1970年代に沸き起こった日本のフォークブームの中で小室等、井上陽水、吉田拓郎等と肩を並べる存在だった。...
View Article二十歳の歌〜転がり始めた“二つの石”
1963年、ローリング・ストーンズはデビューシングル「Come On」をリリースした。 チャック・ベリーの曲を初々しくカバーしてシーンに登場した彼等。 その年にミック・ジャガーとキース・リチャーズは二十歳を迎えた。 さかのぼること二十年… 1943年、ロンドン中心部から電車で40分程離れたケント州ダートフォードという町で産声を上げたミック・ジャガーとキース・リチャーズ。...
View Articleロン・ウッド27歳〜ストーンズから誘い、ソロアルバム『俺と仲間』の製作
それはロン・ウッドが27歳を迎えた1974年の出来事だった。 「あの時、ミックと俺は取り決めを交わしたんだ。“I Can Feel the Fire”は俺のものにしていい代わりに“It’s Only Rock’n’Roll (But I Like It)”はストーンズのものにするってね。当時、俺にはミックのように交渉する力などなっかたんだけど…今思うと、それでよかったと本当に思うよ。」...
View Articleダニー・ハサウェイを偲んで〜事故死だったのか?自殺だったのか?その栄光の裏で彼が苦悩しみ続けたものとは?
ダニー・ハサウェイを語るのに多くの言葉はいらない。 1970年、キャロル・キングは彼のデビューアルバム『Everything Is Evrything(新しきソウルの光と道)』を、親友であるジェイムス・テイラーやルー・アドラーなどに贈って「よく聴くように」と勧めていた。 また、アレサ・フランクリンとレイ・チャールズは“フィルモアウエスト”の舞台裏でダニーの話に花を咲かせていたという。...
View Articleボビー・チャールズを偲んで〜ウッドストックの地に本物の南部音楽を伝え、多くのミュージシャン達に大きな影響を与えた男の功績と軌跡
2010年1月14日、ウッドストックの音楽シーンにおいて重要な役割を担ったシンガーソングライター、ボビー・チャールズ(享年71)が、ルイジアナ州アブヴィルの自宅で倒れ死去した。 直接の死因は明らかになっていないが、晩年の彼は糖尿病など健康上の問題を抱えており、腎臓癌の治療中だったという。...
View Articleぼくの好きな先生〜高校生時代の忌野清志郎が慕った美術部顧問の教師
「ぼくの好きな先生」は、RCサクセションの記念すべき1stアルバム『初期のRCサクセション』からのシングルカット曲として1972年2月5日、アルバムと同日にリリースされた。 RCの黎明期、つまり忌野清志郎、小林和生、破廉ケンチの3人編成によるフォークトリオの時代の作品である。...
View Articleセンセーショナルな歌〜Personality Crisis
♪「Personality Crisis」/ New York Dolls (live at Musik Laden 1973) 1973年、トッド・ラングレンのプロデュースによって世に放たれたこの「Personality Crisis(邦題:人格の危機)」は、アメリカのバンド、ニューヨーク・ドールズのデビューアルバム『New York Dolls』(1973年)のオープニングを飾ったナンバーだ。...
View Article受験生ブルース〜日本のフォークソングの源流を創った男、高石ともやの偉大な足跡
この歌の原作者は中川五郎。 訳詞家としてボブ・ディランのすべての楽曲の歌詞を翻訳しているほか、フォークシンガー、翻訳家、小説家としても活動する人物だ。 かつて“関西プロテストフォークの旗手”といわれた彼がこの歌を創作したのは1967年(当時18歳・高校3年生)だった。...
View Article挫折を知る者の歌〜それはスポットライトではない〜
器用には生きれない人。 挫折を味わったことのある者だからこそ唄える“歌”がある。 彼等だけが知っている。 本当の優しさ、本物の強さを。 そして“あの光”の正体を。 2010年1月17日、浅川マキは心不全でこの世を去った。享年67。 「アングラの女王、逝く」と、翌日の新聞に訃報記事が小さく載った。 もしも光がまたおいらに…当るならそれをどんなに待ってるさ...
View ArticleHappy Xmas (War is Over)〜ジョンとヨーコが出した異例の広告看板から生まれた切なるメッセージソング
クリスマスがやってきた(争いは終わるよ) 弱き人にも強き人にも(それを望みさえすればね) 富める人にも貧しき人にも(争いは終わるよ) 世界はひどい過ちを犯しているけど(それを望みさえすれば) それは1969年12月の出来事だった。 ベトナム戦争の真っ最中にジョン・レノンは結婚したばかりのオノ・ヨーコと共に、世界11都市に“WAR IS OVER “IF YOU WANT...
View Articleひこうき雲〜ユーミンの才能を世に知らしめるきっかけとなった“稀代の名曲”の誕生エピソード
僕がユーミンと知り合ったのは、まだ彼女が中学生のころでした。 新宿の『ACB』や池袋の『ドラム』といった都内のジャズ喫茶でよく話をしました。出会ったころのユーミンはショートカットでニキビがいっぱいあって、女性というより、面白い女の子という印象でしたね。 彼女は昔から音楽に詳しくて、立川や横田の米軍基地にあるPX(売店)に入り浸っては海外の最新レコードを仕入れていた。...
View Articleジェリー・マリガンを偲んで〜バリトンサックスを相棒に“ジャズ人生”を見事に全うした男の足跡
作家の村上春樹は著書の中でジェリー・マリガンについてこんな風に綴っている。 たしかレコードジャケットの写真で最初に彼の姿を目にしたとき、なんだかひどく眩しく感じたことを憶えている。 金髪をクールカットにした長身の青年──アイヴィースーツをばっちり着こなし、白いボタンダウンシャツに、黒の細身のニットタイという格好だった。 どことなく頑固そうな角張った顎と、若々しい淡いブルーの瞳。...
View Articleグレープフルーツ・ムーン〜誰もいなくなった閉店後の仕事場で作曲をしていたトム・ウェイツ
グレープフルーツみたいな月と光る星がひとつ 僕を照らしている あの歌がもう一度聴きたくて 焦がれている僕のことがわかるかい? あのメロディを聴くたびに 心の中でなにかが壊れてしまうから グレープフルーツみたいな月と光る星がひとつ 潮の流れを戻すことなんて出来ないのさ 幼い頃に両親の離婚を経験したトム・ウェイツは、12歳から母親と共にサンディエゴで暮していた。...
View ArticleRain Dogs〜トム・ウェイツが80年代に発表した名盤にまつわるいくつかの逸話
壊れた置き時計の中 ワインをまき散らす 雨の犬たちと一緒になって… タクシー、俺たちゃ歩いた方がよさそうだ 雨の犬たちと一緒に戸口めざし一目散 だって俺も雨の犬だからね… このタイトルナンバーを含むアルバム『Rain Dogs』は、1985年にトム・ウェイツがリリースした名盤だ。...
View Articleビッグ・メイベルを偲んで〜アレサ・フランクリンなど後進のソウルクイーン達にも多大な影響を与えた歌姫の功績と軌跡
1972年1月23日、女性R&B シンガーのビッグ・メイベルがオハイオ州クリーヴランドで糖尿病のため死亡した。 若い時代から薬物問題を抱えつつも…47年間の短くも華やかな歌手人生を全うしたという。 あのジェリー・リー・ルイスが長年に渡って“十八番(おはこ)”にしてきた名曲「Whole Lotta Shakin’ Goin’...
View ArticleBridge over Troubled Water〜この国、この世界の明日に“希望の橋”が架かりますように
人生が大変で辛いとき 友達も見つからないようなとき 激流に掛かる橋のように 僕が君の支えになるから 激流に掛かる橋のように 僕が君を助けるから この「Bridge over Troubled Water(明日に架ける橋)」は、ポール・サイモンが黒人霊歌の「Mary, Don’t You Weep(マリアよ、嘆かないで)」から着想を得て作詞作曲した歌として知られている。...
View Article